まえがき
2017年後半からジワリと忍び寄る死の影というか、気配とも匂いとも言えそうな、
またそのどれでも無いものが私の周りに擦り寄ってきた。
今まではこんなに長きにわたってその気配が続くことはなかった。
あっても、ふと感じる程度だった。
こういったとき、誰かに助言を求めることも、ネットや本で情報を得ることもなかなかできないので、観察というか実験というか、感じるままに見つめている。
今ではやっとそうできるようになった。
明確でないそんな何かを孕んだ空気は、自分にとっても嫌なものなので、気の所為にする。
気づかない素振りをすればするほど、意識をせざるを得なかった。
この世とあの世の端境は、ふと目の前に大きな口を開けている。
叔父の死、愛犬の死、二人の少年の死、家族の友人の死。
私の身の上に起こったこと以外でも、いろんなお話を伺って行く中で確信する様なことを耳にし、時には目の前で起こってしまう。
ジワリジワリとその空気の中に包み込まれていたのを今やっと過ぎゆくこととして、冷静にみることができる様に思う。
そのためにサラッと振り返って大切だと思うことをまとめておきたいと思った。
COVID-19 新型コロナウィルスの蔓延した今年。目に見えないことから突然訪れる死を思う人が、あるいは直面することがあった人が多かったのではないだろうか?
少しでも早くそんな渦の力が和らぐよう祈るように、今年のうちにアウトプットしておきたい。
目に見えない世界と、この世界の間に立つからこそ見える。
大いなる教えを、少しでも多くの方と分かち合うことの重要性を感じ始めている。
とはいえ、カウンセリングでたくさんの方々の人生の断片を聞くことで得た学びは、かなり個人的なことも、繊細で柔らかく傷つきやすい事柄もたくさん含まれているので、そのことを元に再構築されたフィクションです。