街はとても視界が狭くて窮屈で近視眼的になりがちだ。
あのきれいなビルで働く人は人に窮屈な思いをしていて
大きなカッコいいショーウィンドウのお店で働く人は
そのシステムに窮屈な思いをしていた。
月の観測は自転車で十五分走った先の公園でしかできなくて
お天気雨のどんなにきれいな太陽の下でも虹は見えない。
それでも、少し遠く離れてここを見ると、
もしかしたら私たちは虹の下にいるかもしれなくて、
少し距離を取ってみると、その窮屈な人やシステムは
ぼんやりした優しさに包まれていたのかも知れない。
街が明るすぎて星が見えない
月でさえもそう明るく感じない
距離を取ってこの街を見れば、夜景が美しい
宝石箱に見えるのだ。