自死の報道とそれぞれの命と

昨年は例年よりも多くの方から自死のことについてお話を伺うことがありました。

そのことについて考えることも学ぶこともたくさんあって、書きたいと思うことも伝えたいと思うことも、色々あったけれどここに表すことはできませんでした。

自分自身も当たり前に消化や整理ができるものでもありませんでした。
そして、知れば知るほどに簡単に文字や言葉にしてしまうことが怖いと感じてしまうくらい繊細な事柄でした。

「この世から消えてしまいたい」や、そう考えてしまうなんて言う相談を受けることもあったり、
ご遺族の方からお話を伺って、彼岸に渡られてからの様子を窺い知ることもあったりで、
当たり前に正解とか答えなんてないし、これからも私がこの世を去るまで考え続け、
見つめ続けていくことなんだと思っています。

ですが、今回こうやってブログに書こうと思ったのはまさに今必要だと思うからです。

先週末から自死に纏わる報道がテレビでもネットニュースでも流れてきてます。
きっと人と会って世間話の中にも出てきたりするでしょう。

この報道に関して、WHOが「メディア関係者の手引」としていくつかのガイドラインが取り決められているのをご存知ですか?厚生労働省のサイトからもみられます。

「自殺予防 メディア関係者のための手引きーメディア関係者のためのクイック・リファレンスー」

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000133759.html

その中にも、「報道を目立つ所に掲載したり、過剰に、そして繰り返し報道しない。」や、
      「既遂や未遂に用いられた手段を詳しく伝えない。」や
      「メディア関係者自身も、関する話題から影響を受けることを知る。」
と言う項目があります。

私たちは、知らず知らずにそういった情報から影響を受けています。

大切な方を、同じように亡くされた経験のある方は、また繰り返して息の詰まるような悲しい記憶を
呼び戻してしまうかもしれないし、必要以上に感情移入してしまうかもしれない。

一度でも「消えたい」と感じたことのある人はそう少なくないはずで、ふとした拍子に具体的なイメージとして、つながってしまうかもしれない。

それも、知らず知らずのうちに・・・。

その事実を知っておいてください。

人の心は、自覚しているより繊細です。
知らず知らずに引きずられて、支配されてしまうとかあってほしくないのです。

ですが、実際に起こりうることです。

だからこそ、流されないで、「ハッ」我を取り戻す瞬間を持っていただきたいのです。

人は、「好き好き大嫌い」とか
「結婚したい」と言いながら、したらしたで「離婚したい」とか
「就職したい」と働き出せば「やめたい」とか真逆のものに惹かれるような
弱くも可愛いところがあります。

そして、背負い過ぎ、頑張り過ぎて、壊れてしまうような、強いようで脆いところも、
誰かのために優しいようで、自分さえも大事にできないような愚かなところもあります。

だからこそ、今の自分を大事にしてください。

焦っていたら、率先して無駄なことをしてください。
わがままになってください。

ハッとするような夕日や、たんぽぽの綿毛や、普段は気にも留めないようなものを探しに散歩に出かけましょう。

誰かを誘って一緒に出かけられたらそれはそれでいい時間になるでしょう。

もし、誰もいなければコメントでもメッセージでもください。

私は無駄を愛する達人なんです。
一緒に無駄話しましょう。