納骨

昨年亡くなった愛犬の納骨をすべく写経をしている。

出来るだけ真っ直ぐな気持ちで、と懸命に取り組もうとするも

どうしても雑念が入る。

はぐらかすように、あえて気をそらせるように

歌詞のうるさい音楽を聴いてみたりしたくなる。

我が家にはもう一頭愛犬がいて、我が家に来て10ヶ月になる。

その子はその子でとても愛しい。

寂しさは紛れても、代わりになんかならない。

代わりになるなんてことあるはずもないんだな。

今ここに来て当たり前のこととして直面している。

寂しくてなんとなくぼやかして、

悲しくてなんとなくごまかしてきた気持ち。

写経してよかった。

理屈でなく身にしみてわかる。

寂しさも愛しさも。

そんな寂しさから浮き上がる様な愛する気持ちを孕んだ写経を

そのままに、小さく白くなってしまった愛しい亡骸とともに納めてこよう。