今年の八月六日

プール登校の小学生男の子。

まだ蒸し暑い夕暮れに、
制服で友人と離れ際

「またね」「元気でね」

と、繰り返し振り返る。

角を曲がって姿が見えなくなるまで、

「またね、元気でね」

見えなくなった瞬間に
誰に言うでもなく

「さみし〜」

と、走り出した。

昨日一番胸キュンな出来事。

今日八月六日。
黙祷を捧げながら、こんな胸キュンを絶対守りたいと思いを新たにしています。

ささやかな成長や、笑顔を見て「幸せ」だと感じられるような、
感激できるような連鎖をずっとずっと守りたい。

きっと昨日の少年も、いつかの未来でそんな風なことを思う日が来るはずなんだ。

私の命がこの世を終えて、その先までもずっとずっと続いていきますように。

それが平和と言うのだろうと思うのです。