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七十二候 鴻雁北 (こうがんかえる) – cumulus

七十二候 鴻雁北 (こうがんかえる)

4月10日 七十二候 鴻雁北 (こうがんかえる)

ツバメが日本にやってきて、入れ替わるかのように北に帰っていく鳥達がいる。

「鴻」は「ひしくい」とよんで大きな種類の雁をさし
「雁」は小さな雁をさした。

情にあついと言われる雁は、色んな物語を持っているようだ。

夫婦の片割れがなくなるとしばらくその別離の場所を離れないとか、
子どもが育つまでの2、3年は丁寧について親鳥が色々教えるとか、
群れの仲間が怪我をすると一緒にその場にとどまって治癒を待つとか、
「雁首を揃える」なんて言葉があるようにとても仲間を大事にする。

青森県津軽地方の言い伝えに「雁風呂」や「雁供養」という話がある。
秋に雁は枝を加えて飛来し、途中波間に浮かべてその上にとまって羽を休めた。
日本にたどり着いた雁は、その枝を浜に残しさらに南へと向かう。
春になり、北へと帰る時、咥えてきた枝を拾って旅に出る。
その時に、浜に残った枝は生きて帰れなかった雁の数。
その枝を集めてお風呂を焚いて戻らない雁の供養をしたというもの。
秋に来て、春に帰る。
そこから季節を感じ、群れで行動する彼らを大きな空に、森の木陰に見つけては
その強さと優しさに共感や尊敬の念を抱いたのかもしれない。

その姿からいろんな物語が生まれ、家紋や「雁が音」や「落雁」など
身近なところにも雁はいる。