3月26日七十二候 桜始開(さくらはじめてひらく)
この季節になると、標本木の周りをテレビカメラが囲んで、柔らかく淡い小さな花が五輪咲き揃うのを今か今かと待ち望んでいる。
その様子を中継するのは、いつもかなり冷めてしまうが、それほど日本人が桜を待っているということだと素直に受けていいのかどうか。
春の象徴とも言える桜は、「さ」=「魂」、「くら」=「宿す」という意味ですと10年以上前に御霊神社の宮司さんに教わった。
わずかな期間咲き誇り、みるみるうちに散り落ちて地に返って行き、その後には瑞々しい小さな若葉が現れる。
人生を重ねしみじみする人もいれば、ひたすら花見と言う名の飲み会に興じる人もいる。
生きる活力をもらう人もいるが、私はいつもなんだか怖くなってしまう。
特に夜桜。静かな誰もいない所にひっそりとヒラヒラ花びらを散らしながら咲いてる桜なんかは本当に怖くてたまらない。
一緒に散り落ちて、知らない所に引っ張っていかれそうな気さえしてしまう。
その怪しさに色気を感じるんだろうなぁ。
それが桜の魅力なんだろうと私は思っている。
桜は怖いけど好きです。
怖いのに好きって「すごく好き」みたいなことなのかな?