美しい文章を読んだ。
それは和菓子職人の女性が書いたもので、その景色や光の色まで想像できそうな、そしてその景色がとても美しく輝きだすような文章だった。
四季の移り変わり、新しい草花や山の表情、川の水音や水面に映る光の煌めき。それぞれの色の変化など美しいものやシーンに対しての描写が本当に綺麗で、思わず「ホゥ」っとためいきをついてしまうほどだった。
きっと彼女の作り出すお菓子は綺麗にちがいない。
繊細で優しくて、純度の高い光る生命が宿っているだろう。
彼女の仕事において、この「美しいものに心動かされる力」は財産と言える。
和菓子職人でなくともそういったことが光る職業は多いように思う。
なくても困らないが、あればきっとたくさんの光を共有、共感でき、人々の心を豊かにしうるもの。
その美しさを、言葉や音や形で表すことができたなら、それはたくさんの人の頭の中にプロジェクターでそれぞれの美しい景色を映し出すことができるように思う。
そのプロジェクターもそれぞれの性能にきっと委ねられてしまう。
想像力はたくさんの光と、色を人生にもたらすことができ、幸せな時間を、笑顔を増やすことができる。
きっと「感受性に水をやること」は、そのプロジェクターの性能を上げていくことにつながるのではないか?
その感受性には、強さが必要で、その繊細な心の機微は、暗さの中にある恐怖や寂しさに引き擦られ続けることに支配されてはいけない。
そのたびに打ち克って、光を取り戻す強さを持ちたい。
光させば必ず影は濃くなるのだ。
そして、「もういいや」と思えるような柔らかさや適当さがあれば、「必ずや強く!」
などに縛られることもなく、「しなやかに折れない」くらいで続けられそうだ。