大好きな二月堂。

毎年三月にお水取りがある二月堂。
お水取りはお松明が春の訪れのニュースとしてとりあげられる
伝統行事。

お松明の荘厳さ、清らかさは心を奪われるものがある。

お水取りは若狭の遠敷川からお香水を送り、10日後に東大寺
二月堂の若狭井からお香水を取り十一面観音さまに奉る。
それで「お水取り」と呼ばれる。

修二会(しゅにえ、しゅじえ)、十一面悔過(じゅういちめんけか)
十一面悔過とは、世に生きる人々が日常に犯しているさまざまな過ちを、二月堂の本尊である十一面観世音菩薩の宝前で、懺悔(さんげ)することを意味する。

過ちを悔い,今後の平安を祈る。
不退の行法として、今年で1262回を数える。
この1262年もの間一度もどんな事があっても途切れた事がない。
創始された当時、天災や疫病や反乱は国家の病気と考えられ、そうした病気を取り除いて、
鎮護国家、天下泰安、風雨順時、五穀豊穣、万民快楽など、人々の幸福を祈念し続けて今日に至る。

二月堂縁起に、 「実忠和尚二七ヶ日夜の行法の間、来臨影向の
諸神一 万三千七百余座、その名をしるして神名帳を定(さだめ)しに、若狭国(わかさのくに)に遠敷(おにう)明神と云う神います。遠敷河を領して魚を取りて遅参 す。神、是をなげきいたみて、其をこたりに、道場のほとりに香水を出して奉るべきよしを、懇(ねんごろに)に和尚にしめし給ひしかば、黒白二の鵜(う)、 にはかに岩の中より飛出(とびいで)て、かたはらの樹にゐる。その二の跡より、いみじくたぐひなき甘泉わき出(いで)たり。石をたたみて閼伽井とす」とある。
魚を採っていて二月堂への参集に遅れた若狭の国の遠敷明神が
二月堂のほとりに清水を涌き出ださせ観音さまに奉ったという、「お水取り」の由来を伝えている。

白と黒の鵜。陰と陽の二羽の鵜。
水銀を含む丹砂の取れる土地。
不老不死になるための仙薬(錬丹)の材料となる丹砂。
吉野、気比、敦賀の丹生、播磨の丹生山(たんじょうさん)
若狭の遠敷。
すべて丹砂に由来する土地。
丹生都比売。

この修法にはとても深い思いがあると思えて
もっともっと知りたくなる。
感じ取りたくなる。

あらゆる生命の源である水。
あらゆる穢れを洗い清める水。
地球における水。
人体における水。

あらゆる根源なのだと思う。

各々の心身の穢れをお香水で洗い清め落とすことで、家庭の、村の、町の、国の、世界の、
災いや病を遠ざけ平和と幸福を途切れる事なく
祈り続けてきた場所。

お水取りが終わると、あちこちで花会式(はなえしき、薬師寺の修二会)や鎮花祭がおこなわれる。
送られたお香水が細やかに送り届けられるように。
細やかに人々の暮らしにしみ込むように。
水を送り続けている様に思えてしょうがない。